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なぜ日本では年末にベートーベンの「第九」がよく演奏されたのか?

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ここ3年ほど、クリスマスシーズンにクリスマスソングが街中やラジオ、TVを流れることはありませんでした。
今年2022年はやっと クリスマス的な音楽が流れるようになりました。
定番中の定番のマライア・キャリーやジョン・レノンの曲がラップ調の新しいアーティスト曲ものに交じって聞こえてきます。

クラシックといえば、日本では年末の曲としてはベートーベンの第九交響曲を皆が思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?

 

★ベートーヴェンの『第九』を頻繁に演奏するのは日本だけってホント?
 『正式には、『交響曲第九番ニ短調作品125』《賛歌「歓喜」による終末合唱を持つ交響曲》という曲名です。
素晴らしい曲ですが、なぜ年末によく演奏されるのでしょうか?


●欧米では12月以外の祝典や行事に演奏される
欧米では新年を迎える前の定番というわけではありません。
第九が一番頻繁にかかるのは、日本です。
アメリカやヨーロッパでは、「ハレルヤ」コーラスで有名なオラトリオ『メサイヤ(救世主)』の方がむしろよく演奏されます。


● 年末恒例の演奏は、どのように始まったのか?
最初に日本で「第九」を演奏されたのは、1918年に島根県の収容所です。
第1次世界大戦で日本軍の捕虜になったドイツ兵が演奏し、捕虜と地元民との心温まる交流が伝えられています。
第九交響曲の中の『歓喜の歌』は、世界平和を謳っているので、ぴったりだったわけです。


●年末恒例になった由来は2説あり

有力な説は2つあります。

(1) 学徒出陣した生徒たちの追悼のため:
1943年12月の学徒壮行音楽会で「第九」が演奏された。戦後に生還した学生たちが再びこの曲を演奏して帰らぬ仲間を追悼したので定着したという説。

(2) オーケストラ団員の年末ボーナスのため:
戦後は、オーケストラ団員たちも生活が非常に苦しかったので、年末に臨時収入を得るためとする説。ベートーベンは日本人に人気があるので、皆が知っているこの曲を選ばれた。

実際は、(1)と(2)の両方でしょうが、「第九」の雰囲気が、お正月を待ち望む雰囲気にあっているのも理由でしょう。


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